活力朝礼26【盗んだタライ】

盗んだタライから学ぶ意味

江戸の町を、大根を売り歩く男がいた。

一生懸命、声をあげて売ろうとするが、
昼過ぎになるのに、まだ1本も売れていない。

家には、女房とと3人の子供が待っている。
貧乏でその日暮らし、これでは生計が成り立たない。

すると、ある武家屋敷から声がかかった。

屋敷の主人らしき侍が、大根屋の男に値段を尋ねる。

「1本、33文でございます」

「高いな。24文にしておけ」

「それだけはご勘弁を…」

すると、侍は

「では、よそう。帰ってくれ」

と、ピシャリと障子を閉めてしまった。

すがるような思いで、家族を養っていかねばならないことを
中に向かって訴えるが、返事はない。

あきらめて帰ろうとしたとき

目の前の小さなタライが目に入った。
珍しい金属製のタライである。

「これを売ったら……」

男は起こしてはならない心がむらむらとわきあがり、
あたりを見回し、すばやく大根の下へ隠した。

急いで立ち去ろうとしたとき、

「これ、大根屋」

と呼び止める声がする。

さっきの侍であった。

「その大根を買うからここへ並べろ」

カゴから大根を出せば

タライを盗んだことがばれてしまう。
今さらタライを元へ戻すこともできない。

大根を売らないとも言えない。
逃げることもできない。

「きさま、何を慌てている!
 まず盗んだタライを出して大根を数えるんだ!」

「あ、ど、どうか、お許しください!
 ほんの出来心で盗んでしまいました。
 どうか命だけはお助けください」

震えながら地面に頭をすりつけ、男は詫びた。

侍は、

「大根を数えてみよ、と言っているのだ」

と催促する。

男は、カゴから大根を出した。23本あった。

「おまえが最初に言った値段で買おう。
 それに、このタライもつけてやる」

「え…?」

男は、驚いた。

「いくら貧しいとはいえ、他人の物を盗むとは、おまえの性根は、よほど汚れているらしい。タライは手足を洗う道具だが使い方によっては心を洗う方法もあるだろう。このタライを持ち帰り心のあかを洗い落とすがよい」

侍は、こう言い終えると

障子を閉めて中へ入ってしまった。

タライと銭を受け取った男は

呆然とした足取りで家に帰ってきた。
女房が、すぐ異変に気づいて尋ねる。

事の顛末を語るうちに男は恥ずかしくなった。

「おれは間違っていた。どんなに苦しくても、
 自分の心に恥じる行為をしてはならない」

その後、夫婦で力を合わせ、人一倍、働いた。
その努力が実り、3年めには

立派な八百屋を開くことができた。

男はタライを与えてくれた侍を訪ね、お礼を伝えた。

思いがけない再会を喜んだ侍は、

「おまえのように自分の過ちを認め改めようとする姿は、実に立派だ。その心のやわらかさがあれば誰でも、やり直すことができるのだよ」

と励まし、屋敷の出入りの商人に加えたという。

お釈迦様は「良いこともしないが悪いこともしない人間が一番救いがたい」と言います。過ちから学ぶことがないからです。人は多かれ少なかれ過ちを犯す。それは仕方がないことです。でもそこから何を学び、どのように自分を変えていくかでその人の一生が決まります。世の中の人間のほとんどが過ちを犯すのですから自分だけではないのです。

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