活力朝礼18【悔しさをバネに】
ハングリー精神こそ人間を強くする
昔から、親に勧められて、力士や僧侶になった者で大成したものは少ない、といわれている。
親は、わが子が安全に暮らしてゆけそうな道を勧める。力士や僧侶、あるいは芸術家などは将来成功するかどうか見当がつかない。確実性のない職業には親は賛成したがらない。
その親の反対をも押し切ってやり抜く強固な意志がないと、ひとかどの人物にはなれないということであろう。
「艱難汝(かんなんなんじ)を玉(たま)にす」という格言は、困難や苦労を重ねることによって人は成長するという意味であるが、これは戦前に育った者なら耳にタコのできるほど聞かされた言葉である。
最近はいう人もいなくなったし、耳にすることもなくなった。
一代で大事業を成し遂げた人や、歴史に名を残すような宗教家や政治家は、家柄や学歴などとは関係のないところで自分を鍛え上げている。
春は入学のシーズンでもある。目指す学校に入学した者は、急行券や特急券を手にいれた思いで胸をふくらませているであろう。
しかし、その切符が手に入ったばかりに、むしろ人生の型が決まり、案外平凡な人生航路をたどることになるかもしれない。
その反面、切符を手にすることのできなかった人の中には、くやしさをバネにして奮起し、すばらしい働きをする人もいるにちがいない。
空腹感をおぼえるハングリー精神こそ人間を強くする。
心が震えない限り人は成長しません。嬉しさで震える時もあれば悔しさに打ち震える時もあります。どこかで「このままでいい」と思っていませんか?今の仕事でこれ以上なに一つ覚えなくてもお客様を満足させることができるでしょうか。